お子さんの運動神経のことでお悩みの方は多いと思います。
どんな親でもできれば運動神経の良い子供に育ってほしいもの。
僕も子供が幼稚園児のとき、他の子と比べてできないことがあると、不安になることがありました。
今日はそんな不安を持つ方のために、知っておいてほしい情報をまとめました。
以下のような思いや考えがある人は、ぜひ読んでみて下さい。
- 子供が運動嫌いで悩んでいる
- 子供の運動神経が悪くて不安
- 運動神経の良い子供に育ってほしい
- ほかの子と比べて運動ができない
- 自分の運動音痴が子供に遺伝したのでは?
運動神経は〇〇と〇〇で決まる!
結論から言うと、子供の運動神経は以下の2つの要素で決定します。
- 遺伝子タイプ
- 黄金期
順番に説明していきましょう。
① 子供の遺伝子タイプに合った運動をさせていない。
最新科学による研究結果から、子供の運動神経は親からの遺伝で66%が決まっているということが分かっています。
これを見て誤解してほしくないのが、親が運動神経が悪いからといって、子供も悪くなると言っているわけではないということ。
研究結果を詳しく書くと分かりにくくあるので、分かりやすく箇条書きすると・・
- スポーツ遺伝子といわれる「αアクチニン3遺伝子」にはRR型、RX型、XX型の3種類がある。
- スポーツ遺伝子の型は父親と母親の遺伝子の組み合わせで決まる。
- RR型とRX型を持つ人は瞬発系の能力に優れ、速い短距離選手になれる可能性が高い。
- XX型の人は瞬発系には向かず、どこまで努力しても100m10秒4~5が限界。
専門用語をたくさん並べましたが・・・とにかく大事なのは、自分の子供がどのタイプの遺伝子を受け継いで、どのタイプの競技に向いているのかを知る必要があるということ。
でもそんなのどうやってわかるんだよ!って思いましたよね。
安心してください。
今では一般人でも自宅でできる検査キットが出ています。
早い段階でお子さんの遺伝子タイプを調べることで、お子さんがどういう運動・競技に向いているかを事前に把握することができます。
② 黄金期の運動量
アメリカの医学・人類学者であるスキャモンが1928年に発表した『スキャモンの発育曲線』によると、人間の運動神経は5歳までに80%が形成され、12歳までには100%完成してしまうそうです。
そのため、この3歳~15歳の時期を‟黄金期”と言います。(次項で詳しく説明)
子供の運動神経を伸ばすには、”この黄金期にいかに多くの‟遊ぶ環境”を作り、たくさん身体を動かしてあげられるかが鍵となります。
遺伝子のことを知っておくのも大事ですが、手っ取り速いのはとにかく子供にしっかり運動させることです。
また、スポーツ庁の「体力・運動能力調査」にも、入学前に外遊びをしっかりしていた子供ほどテストの点数が高いという結果が出ています。
‟運動神経を鍛える”というと、単純に運動をして筋肉を発達させると考える人もいるかもしれませんが、運動神経が良くなる=「脳の発達」を示します。
例えば、脳みそが走れ!という指令を出してから実際に足や手の筋肉を動かして走り出すまでには、たくさんの神経細胞を介し、筋肉に電気信号として伝達されます。
小さなお子さんは、この「脳→神経細胞→筋肉」という基本的な伝達回路が未発達なので、自分が思ったように体が動かせません。(右と左が覚えられないなど)
子供の運動神経を伸ばしたいのなら、なるべく子供が小さな内から、遊びの中で「走る・投げる・跳ぶ・握る」という基本的な動きをたくさん経験させることが大切です。
子供の運動神経を伸ばす『3つの黄金期』
幼児期からたくさんの運動をさせればいいことは分かったけど、実際に何歳から始めたらいいの?
そう不安に思う人もいるでしょう。
まず、前項で少し紹介した、スキャモンの発育曲線を見てみましょう。
このスキャモンの発育曲線を見ると、子どもの神経は3~5歳まで急激に発達し、5歳のころには全体のおよそ80%、12歳を過ぎたあたりですでに100%に達しています。
この表を見れば、いかに黄金期が大事かがお分かり頂けたかと思います。
そして、この黄金期は、さらに以下の3つの時期に分類すことができます。
☆3歳から8歳(幼稚園年少~小学2年生)
☆9歳から12歳(小学3年生~小学6年生)
☆13歳から15歳(中学生期)
大前提として、これらの年齢には個人差があります。
子供の成長スピードには±3歳の個人差があると言われていますので、お子さんごとに成長スピードを見極めながら対処していく必要があります。
これは子供のもっとも近くで見守る親の役目ですね。
以下、詳しく説明していきます。
① プレ・ゴールデンエイジ
プレ・ゴールデンエイジとは、幼児~小学校低学年(3~8歳ごろ)にかけての時期のことで、特徴は‟神経系が著しく発達すること”にあります。
この時期は骨も筋肉も発達途上なので、身体が思うように動かせません。(右足を出そうと思っても左足が出たり)
そのため、何か特定の競技をやらせるのではなく、「走る・投げる・跳ぶ・握る」などの基本的な運動をたくさんさせて、体の使い方、動かし方を覚えさせることが大事です。
この時期に基本的な運動をどれだけやるかで、その子の将来が決まると言っても過言ではありません。
② ゴールデンエイジ
ゴールデンエイジとは、プレゴールデンエイジの次に来る時期で、小学校の中~高学年(9~12歳)の時期で、この時期の特徴は‟瞬発的な習得力”にあります。
プレ・ゴールデンエイジでしっかりとした運動の基礎が培われていれば、このゴールデンエイジで「人がやっているお手本を見て、その場でまねしたらすぐにできちゃった!」なんてことが可能になります。
見たものや感じたものを、本能のままに自分に取り込み再現することができる、とても貴重な時期なんです。
もしこの時期にはサッカー・野球・水泳など、自分の遺伝子タイプにあった運動競技に取り組ませることができれば、めきめき上達して頭角を現すはずです。
③ ポスト・ゴールデンエイジ
ポスト・ゴールでエイジとは、小学校高学年から中学生(13歳~15歳)の時期で、特徴としては‟鍛錬と思考によりさらに発達すること”にあります。
この時期にはすでに運動神経の90~100%は完成しており、著しい急成長は止まっています。
今までのように本能任せではこれ以上の運動神経の発達は見込まれません。
そのため、このポスト・ゴールデエイジでは、基本的な運動で運動神経を維持しつつ、特定の競技の反復練習を行なうことで、運動神経にさらに磨きがかかります。
また、この時期からは「自分で考えながら練習する」という癖をつけておくことで、周りとの差を一気に広げることができます。
まとめ
今回の記事では、子供の運動神経を伸ばすために必要な2つの要素、‟遺伝子タイプ”と‟黄金期”について、説明させていただきました。
僕も2人の男の子をもつ親として、この事実を知ってからは積極的に基本的な運動を遊びの中に取り入れるようにしています。
おかげで長男は6歳の時点で逆上がり連続30回、水泳は教室に行かずにクロールで200m連続で泳げるまでになりました。
黄金期にどんな運動をさせればいいのかについても少し触れましたが、以下の記事で詳しく紹介しています。
お子さんの運動神経が気になる方は、ぜひ取り入れてみてください♪
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