トレーニングを始めて何か月か経つのに、周りの人と比べて今一つ成長が感じられない・・・
そんな悩みを抱えてはいないでしょうか?
そのような場合は、一度トレーニング方法やテクニックについて、見直してみた方がいいかもしれません。
自分が行っているトレーニングが本当に効率的なトレーニング方法なのか?
しっかりと考えることが大切です。
今回の記事では、トレーニング初心者のために、様々なトレーニング方法と種類、それぞれの特徴について詳しく解説します。
トレーニング例として紹介しているのは自重トレーニングのメニューですが、ウェイトトレーニングでも同様に使えるテクニックですので、ウェイトトレーニング初心者の方にも最適です。
トレーニングに取り入れることで飛躍的な成長につながりますので、ぜひ参考にしてみてください。
トレーニングテクニックの種類
今回紹介するトレーニング方法は以下の9種類。
- スーパーセット法
- ネガティブトレーニング
- メカニカルドロップセット法
- レストポーズ法
- パーシャルレップ法
- タイムアンダーテンション(TUT)
- バーンアウトセット法
- スタティックトレーニング法
- エクスプローシブ・エクササイズ
ここにあるトレーニングテクニックが全てではありませんが、まずは基本的な種類を覚えましょう。
上記のテクニックを組み合わせてトレーニングを行うだけでも、十分な効果を発揮することができます。
スーパーセット法

スーパーセット法とは、複数のエクササイズを、休憩せずに連続して実施する方法のことです。
- トレーニング強度の増強
- トレーニング時間の短縮
- 筋への過負荷の促進
- 多様な種目の組み合わせが可能で刺激的
スーパーセット法は、特に後半の種目やセットの後半では、疲労のため高重量は扱いにくく、筋力増強には最適ではありません。
しかし、ボディビルディングや筋肥大には効果的です。
ストリートワークアウトのトレーニングに取り入れることで、『筋肥大には非効率』という自重トレーニングのデメリットを補うことができます。
スーパーセット法には、同じ筋群や違う筋群を合わせる方法や、筋力トレーニングに有酸素運動を合わせる方法もあります。
ただし、代謝ストレスや筋への負担も大きいため、同じ筋群へのトレーニングは週 2 ~3 回に制限すべきです。
長期的な筋力増強には、十分な休息による回復が不可欠です。
・筋力増強ではなく筋肥大向き。
・負担が大きいため、同筋群のトレーニングは週2~3回まで。
・長期的筋力増強には十分な回復が不可欠。
スーパーセット法は筋肉の組み合わせや方法から、さらに以下の4つの種類 に分類されます。
- アンタゴニスティック法(Antagonistic Superset)
- コンパウンドセット法(Compound Superset)
- プレイグゾスト法(Pre-Exhaust Superset)
- スタッガードセット法(Staggered superset)

① アンタゴニスティティック法
アンタゴニスティティック法とは、主動作筋と拮抗筋を組み合わせて行うトレーニング方法です。
拮抗筋は短縮させた主動作筋に反対側に位置し、伸長する筋です。
例えば、胸筋が主動作筋であれば、背部の筋を拮抗筋と呼びます。
また、上腕二頭筋が主動作筋であれば、上腕三頭筋を拮抗筋と呼びます。
両側の筋を同時にトレーニングすることにより、筋力を効率良く増強させることができます。
ボディビルディングでは、スーパーセットはパンプアップさせる方法として使われます。
- プッシュアップ→プルアップ
- ベンチディップス→チンアップ
② コンパウンドセット法
同じ筋を連続してトレーニングする方法で、スクワットとランジの組み合わせなどがあります。
短期間での筋肥大には非常に効果的ですが、筋への負担が大きくなります。
- スクワット→ランジ
- プルアップ→チンアップ
- プッシュアップ→ディップス
③ プレイグゾスト法
プレイグゾスト法とは、事前予備疲労法ともいい、始めに目的とする筋を使った単関節運動(アイソレーション種目)を行った後にその筋を含めた複合関節運動(コンパウンド種目)を行う方法です。
- トライセプス・エクステンション→ディップス
- チューブラットプルダウン→プルアップ
- チューブレッグカール→ノルディック・カール
④ スタッガードセット法
異なる筋のトレーニングを組み合わせた方法で、トレーニング時間の短縮や小さな筋のトレーニングに効果的です。
大きな筋のトレーニングセット間に小さな筋のトレーニングを行います。
- プッシュアップ→カーフレイズ→プッシュアップ
- スクワット→トライセプス・エクステンション→スクワット
- プルアップ→ディップス→プルアップ
ネガティブトレーニング

ネガティブトレーニングとは、荷重や重力に対抗しながら身体を下げていく動作、あるいは目的とする筋を伸ばしていく動作(遠心性収縮)によるトレーニングのことです。
筋に過負荷を与え、トレーニングの強度を上げる方法として効果的です。
遠心性収縮時に、筋に微小外傷が起こります。
この細胞損傷により、同化作用が生じ、筋力が増強します。
求心性収縮と比較し、遠心性収縮は約 40 %強い収縮力を発揮します。
遠心性収縮時の負荷量増大により、神経系による運動単位の動員能力がより早く向上します。
言い換えれば、遠心性収縮時の負荷量増大により、少ない筋線維で、より多くの速筋線維を動員できるようになります。
速筋線維は太く、収縮力が強いため、過負荷をかけることにより、より効果的に筋力を増強することができます。
ただし、負荷量が大きくなるため、初心者にはアシスタントをつけるなど、オーバート レーニングにならないように注意しなければなりません。
筋力不足や、疲労によりエクササイズが困難な場合、ネガティブトレーニングで効果的に筋力増強することができます。
他のトレーニングと混ぜながら行うことにより、様々な刺激を筋に与えることができ効果的です。
・荷重や重力に対抗しながら筋を伸ばす、遠心性収縮によるトレーニング。
・筋に微小損傷が発生→筋への過負荷、筋の同化作用で筋力増強。
・求心性収縮より、約40%強い収縮力を発揮。
・オーバートレーニングに注意。
プルアップが全くできない人に効果的なネガティブトレーニング。
バーに跳びつき、肘を曲げた状態からゆっくりと肘を伸ばしていき、地面に足がついたら再度同じ動作を繰り返す。
可能な限り最大可動域を使い、動作はゆっくり(最低 5 秒間)、1 セットは 8 回までに抑えることにより、より良い効果が得られます。
※疲労により通常のプルアップ ができない場合に行うこともできます。
メカニカルドロップセット法

ドロップセット法とは、一つの種目の限界に到達すると、負荷を減らし、再び限界まで行うことを繰り返す方法のことです。
メカニカルドロップセット法では負荷を減らさず、同じエクササイズを継続するため身体の角度や動作速度などを変更します。
エクササイズ中に筋疲労を感じた時、全ての筋線維が動員されたわけではありません。
実際は、そのセットで必要な回数を行うために必要な筋線維数が動員されているだけです。
身体の角度や動作速度などを変更してエクササイズを継続することにより、動員される筋線維数が増えます。
このように、筋線維に強い刺激を与えることにより、筋力増強を促すことができます。
過労を避けるため、週 3 回以上は行わないこと。
・負荷は一定のまま、身体の角度や動作速度などを変更して一つの種目を限界まで行う。
・負荷を減らさずに行うことで、動員される筋繊維数が増加し筋力増強を促す。
・負担が大きいため、週3回以上は行わないこと。
メカニカルドロップセット法は以下のように行います。
- ダイヤモンド・プッシュアップ → スタンダード・プッシュアップ
- プルアップ → インバーテッド・ロウ
- ジャンプ・スクワット → スタンダード・スクワット
- ハンドスタンド・プッシュアップ → パイク・プッシュアップ
加重トレーニングでも、以下のようにドロップセット法を使うことができます。
- ウェイテッド・プルアップ → プルアップ(自重のみ)
- ウェイテッド・プッシュアップ → プッシュアップ(自重のみ)
- ウェイテッド・スクワット → スクワット(自重のみ)
レストポーズ法

レストポーズ法とは、高負荷低回数で、休息を短くする(10~20 秒)ことにより、トレーニング強度を上げ、筋の限界までセットを繰り返す方法です。
セット数に決まりはなく、希望の回数が終わるまで行います。
この方法に関しても様々なトレーニング法・セット数・回数を混ぜながら行う必要があります。
なぜなら、同じ刺激を与えていると、身体はその刺激に適応し、筋や筋力は効率良く発達しないからです。
・高負荷低回数で、休憩を短く(10~20秒)。
・セット数に決まりはなく、筋の限界まで繰り返し行う。
- 加重ディップス 5回→休憩15秒 限界まで
- 加重プルアップ 5回→休憩15秒 限界まで
パーシャルレップ法

パーシャルレップ法とは、疲労や筋力低下などにより目標回数の達成が困難な時、一部の可動域だけで必要な筋に負荷をかける方法のことです。
この方法を有効的に活用できるのがプルアップです。
プルアップの一部の動作が苦手な場合、その部分を重点的に行い、改善していきます。
また、メカニカルドロップセット法のように、トレーニングセット終盤で、多くの筋線維を動員させるためにこの方法を使うこともできます。
・セットの後半やトレーニングの終盤などに有効。
・可動域を制限することで、必要な筋だけに負荷をかける。
・疲労や筋力低下時でも、多くの筋繊維を動員させることが可能。
- プルアップ
① 肘は常に伸ばしたまま、肩甲骨を開いた状態から閉じる動作を繰り返す。
② 顎がバーを越えたら身体を下げ、顎がバーより下がったらすぐにまた上げる動作を繰り返す。 - プッシュアップ
①肩甲骨を開いた状態でスタート姿勢を作り、肘を伸ばしたまま肩甲骨を閉じる動作を繰り返す。
②胸が床に触れる手前の姿勢から、少し肘を伸ばす動作を繰り返す。
タイムアンダーテンション(TUT)

タイムアンダーテンション(TUT)とは、筋緊張が持続している時間のことです。
動作速度により負荷は異なります。
通常、一般的なエクササイズのタイムアンダーテンションは、求心性収縮に 2秒、休止に 1秒、遠心性収縮(ネガティブ)に 4秒です。
この方法により、正しいフォームでエクササイズを行いやすくなります。
・TUT=『筋緊張の持続時間』のこと。
・筋収縮2秒→休止1秒→筋伸長4秒が基本。
- プッシュアップ
身体を下す動作4秒→胸が地面に触れる手前で1秒静止→身体を上げる動作2秒 - プルアップ
身体を上げる動作2秒→顎がバーを越えた状態で1秒静止→体を下す動作4秒
バーンアウトセット法

ワークアウトの最後に低負荷高回数(20 – 100 回)を行い、筋を完全に疲労させるためにバーンア ウトセット法が利用されます。
全回数を 1 セットで行う方法や、休憩を取りながら複数セットで行う方法もあります。
- インクライン・プッシュアップ ー 50回
- インバーテッド・ロウ ー 30回
- ランジ ー 50回
スタティックトレーニング法

スタティックトレーニング法はアイソメトリックエクササイズともいい、筋長や関節角度が変化しない等尺性筋収縮を用いて行う方法のことです。
ある姿勢を維持して行う運動であるため、姿勢の安定性の改善に向いています。
これは、スピードやダイナミックな運動能力を直接的に向上させるトレーニングではありません。
・等尺性筋収縮を用いたトレーニング法。
・姿勢安定性の改善に有効。
- プランク
- フロントレバー
- バックレバー
エクスプロッシブ・エクササイズ

エクスプローシブ・エクササイズとは、爆発的なパワーを使い、自分の身体を宙に浮かび上がらせるようなエクササイズのことです。
神経系や筋系への刺激が強く、爆発的なスピードやパワーを向上することができます。
通常のプッシュアップやプルアップより多くの速筋線維が動員され、効果的に筋力を増強することができます。
また、心肺持久力・筋持久力の向上にもつながります。
動作を可能な限りコントロールし、怪我の予防に努める必要があります。
・爆発的、瞬発的なパワーで自分の身体を宙に浮かび上がらせるトレーニング。
・神経系や筋系への刺激が強く、爆発的なスピードやパワーを向上。
・通常のトレーニングに比べ、より多くの速筋線維が動員され、効果的な筋力増強が可能。
・心肺持久力・筋持久力も向上。
- ジャンプスクワット
- エクスプロッシブ・プッシュアップ
- クラップ・プルアップ
- クラップ・ディップス
まとめ
これまで、トレーニング方法やテクニックについて細かく意識してこなかった人や、トレーニングにあまり効果を感じていない人は、今一度自分のトレーニングメニューやその方法と向き合う必要があります。
少しやり方を変えるだけで、激的に効果が得られるかもしれません。
皆さんのトレーニング生活が充実したものになることを願います。
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